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広瀬明久

優秀なメキシコ人

更新日:2022年8月25日

「メキシコ人は優秀である」と言うと、普段メキシコ人と一緒に仕事をされている日本の方々はどう思われるでしょうか。


私は30年間メキシコ人と仕事をしてきましたが、ある面では日本人よりずっと優れた面を持っていることを実感しています。


元来、人間の能力にそれほど差はありません。民族によって差はないはずです。


日本人は産業時代には「優秀」とされてきました。その時代に大きく能力を発揮し、経済的に大成功を収めました。80年代後半には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで言われ、アメリカをも凌ぐ勢いでした。


産業時代は日本の天下。工場の管理システムや教育法までもが世界の賞賛を浴びるに至り、日本人の「優秀さ」がもてはやされていました。


しかし、この「優秀さ」には賞味期限があったと私は思っています。限られた環境の中でこそ通用するものでした。


当時の成功には色々な要因があったと思われますが、日本人の勤勉性、会社に対する忠誠心、個を犠牲にした全体の調和などが挙げられれます。日本の教育は、このような会社人間をつくることに非常にうまく機能してきたと言えます。それが意図されていたのかどうかは定かではありませんが、結果的に大当たりでした。


しかし、時代は変わりました。


情報時代の今日、過去の成功パターンは通用しなくなってきています。大き過ぎる成功体験の呪縛から逃れられずに悶々としてきたのが平成でした。


少し話のスケールが大きくなり過ぎたので、元に戻します。


私はメキシコで30年仕事をする中で、多くの才能溢れるメキシコ人に出会ってきました。


特に印象的だったのは、あるプロジェクトを通して、モンテレイの財閥系企業の創業一族と接触を持った時のこと。通訳兼コーディネーターとして参加させていただいていましたが、普通に生活を送っていたのではまず知り得ないであろう別世界を垣間見ました。


この天上界とでもいうべき世界に住む人たちは、幼い頃から会社を所有するための帝王学を学んできています。会社経営のスタイルも、日本のそれとは異なったものでした。能力的にも人格的にも優れています。サラリーマン上がりの経営者には、なかなか真似のできない芸当です。格の違いを見せつけられました。


これは極端な例ですが、天上界の住人ではないまでも、一般にメキシコ人は以下の点で優れていると感じます。


· 想像力

· 創造力

· 即興力

· 感情表現力

· 心理戦略

· パーティー感覚


これらは産業時代の基準ではあまり評価されない点ですが、情報時代では評価基準は変わるはずです。


イベントなどの企画では、日本人とは違うスタイルでのアプローチをします。メキシコ人は計画性がないとよく言われますが、パーティーをオーガナイズするときなどには素晴らしい力を発揮します。楽しむことに費やすエネルギーは半端ではありません。


能力に差があるのではなく、重視するものに違いがあるのです。


産業時代に圧倒的優位性があった日本人の特性は、情報時代にはその相対的価値が下がってきていると感じます。一方、産業時代で過小評価されてきたメキシコ人の能力は、情報時代には逆に強みになる可能性を秘めています。


今、私たち日本人はパラダイム変換をする時期にきていると思います。


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